
神戸市内、しかも駅から至近の地に日本を代表する土木遺産があります。

とある映画を見ようと三宮へ行ったら、
予告ナシで上映スケジュールが変更になっていて見れず。
相方に子どもの世話をお願いして、わざわざ時間を作って来ているのに何たる仕打ち。
こんな映画館は廃れてしまえ!
ちなみに「シネ○ェニックス」です。
さて、どうしよう。
今から帰ると、家では子どもが昼寝中なので、物音で起こすとややこしい。
ちょっと時間をつぶそうか、
ということで、五本松ダム(布引貯水池)に行ってきました。
新神戸駅から徒歩1時間以内の至近距離にあります。

新神戸駅まで来ました。
三宮から地下鉄がありますが、徒歩でも行けます。節約節約・・・。

橋を渡れば新神戸駅ですが、
あれ?

!
横坑か?

とりあえず、接近に問題はないようです。
GOGO!

当然ですけど、封鎖されてました。
作業用だからして、何の変哲も無いコンクリート坑門ですが、
よく見ると見事です。
後から塗ったはずの封鎖部分と、坑門部分の目地が一致しています。
こだわりの施工?

本坑との位置関係。すぐ右が新神戸駅です。
普通なら本坑坑口から土砂搬出するのでしょうけど、
高架になっているため、難しかったのでしょう。

予定外の発見でちょっと満足。
さてさて、本来業務に戻りますか。

てくてく歩くと分かれ道。
昔は直進でも行けたようですが、今は進入禁止。
そこで右へ行くと、

明治33年竣工の砂子橋(いさごばし)
この橋を渡っていきます。

なんとか側面を捉えようとしましたが、

対岸からなんとか。
訪れた時期が悪いです(写真はちょうど1年前くらい)。

上の写真からお分かりいただけるかもしれませんが、ただのアーチには見えません。
いわゆる、変垂曲線のように見えます。
でも、変垂曲線は移動荷重を想定しているはずなのに、なぜ水管橋に採用されている?


砂子橋の先には、一風変わった形の取水堰があります。
円形の建屋そのものもいい雰囲気ですが、
丸いドームまで全て石で出来ています。

水量が増えるとこんな感じに。石組み堰堤の流水紋様はきれいですね。

流れに沿って、そこかしこにちょっとした堰があります。

「布引の滝(雄滝)」です。
今回の主役ではないので、さらっと行きます。

「かずら橋」と名づけられていますが、
鋼索のつり橋に、かずらを巻きつけたものです。


さらに進むと谷川橋。大正初期のRCとのこと。
渓流にはアーチが似合います。

うっそうとした森をぬけると、


総石張り重力式ダムの五本松ダムです。
デンティル、帯石、笠石(ダム用語ではないかもしれませんが)と、
明治期の隧道に通じるものがあって好印象です。

なお、夢風船(ロープウェイ)からだと全景が見れます。
なかなか壮観です。
封建制度の時代から30年程度でこれだけのものをつくってしまう
明治の人たちは偉大ですね。
・・・。
今、気がついた。
遊歩道は川沿いですが、右岸の斜面に不自然な段差が。
見なかったことにしよう・・・。

天端脇まで来ました。広場に説明板。石臼もおいてありました。
近世の六甲と言えば、水車小屋+石臼ですからね。

越流放水路と、そこにあったポットホール?
放水路は明治44年頃築造ですので、
100年くらいでポットホールができたということですか。
この後、雨が降ってきました。
曇っていたので怪しいとは思っていましたが・・・。
さぁ帰りましょう。

銘板がありました。新しいものですが一応確認しときます。
ん?


仮設のトンネル!?

・・・。
湖岸をランニングして探せということか。

行きました。
すぐうっそうとした森になってしまい、
結局それらしいものは見つけられず。
この写真の場所のすぐ手前くらいの対岸に、
ちらっ、と怪しいガードレールが見えましたが、渡る手段なし。

ここまで来たら、全施設を見て回りましょう。
これは、最上流部の堰堤(締め切り堤防)。右が上流です。
普通は、川が直接上流から貯水池につながっていますが、ここはそうではありません。
堰堤で川を締め切り、
上流側の分水施設で、川の水を貯水池用と放流用に振り分けています。
放流用水は導水トンネルで先ほどの放流路につながっています。

ちょっと分かりづらいですが、
川岸の遊歩道から放流路の坑口をのぞきこんだところです。


で、これが分水施設の説明板。
さすがに現役施設なので、撮影に適したポジションが取れません。

ここまで来ると布引貯水池の最上流部です。
普通に紹介されている施設は全部見ましたので、今日はこれでおしまい。
今度こそ帰ります。



素直にもと来た道を引き返せばいいものを、
振り返ったら車道があったので、
楽が出来るかと思い、行ってみたらこれがまた厳しい道。

そりゃそうだよな。街がまだあんなに遠い。
それにしてもロープウェイ下のつり橋?はなんだ?非常用か?
むちゃくちゃ高いぞ。

途中で見つけた黒猫ちん。
ご飯はしっかり食べてそうです。

下界に無事下りてきました。
新砂子橋。あちらと対になっているわけですね。
ランガーともトラスとも言えるような、それなりに変わった形式のようです。
と、そこで相方から電話がかかってきました。
少し羽を伸ばしすぎたようです。
急いで帰らねば。
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- 2009/08/31(月) 03:11:43|
- その他土木
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