
ねこのお地蔵さん?
いえいえ、兵庫県たつの市新宮町でみつけた道標です。
旧道を探して出歩くと、思わぬ物を見つけたりします。
この「ねこ道標」もその一つ。
目の丸さ、ほおのふくらみ、口周りの感じが、
なんとも人懐っこくていい感じです。

後ろに回りこんで見ると、首紐が蝶結びになっています。
首輪じゃなくて首紐?なかなかこれは年代物かも?
銘が入ってないので、製作年が特定できませんが、
推定するのは、それはそれで楽しいものです。
まず、彼(右手を上げているのはオスらしい)の形。
いわずと知れた招き猫ですね。
ちゃんと座布団の上に座っているところから、
「招き猫」としての形が確立してからのものでしょう。
とすれば、諸説ありますが江戸時代中期以降と言えます。
また、だいぶ猫のかわいらしさを強調したデザインですので、
明治以降でも不思議ではありません。
また、足元の地名表示。「相坂」と「新宮」と読めます。
「相坂」はここの北方にある峠の名称。
後鳥羽上皇が隠岐に流された際にこの峠を越した、
という話があるくらい歴史のある峠です。
一方、「新宮」ですが、
江戸時代は「千本宿」の名前の方が著名だったようで、
「新宮」という名前が登場するのは、
明治中期まであったとされる「新宮村」に遡るようです。
それから、石で道標を作るのは、時代が下がっても昭和初期まで。
あれれ、意外と古くないかもしれません。
それでも、明治中期以降、大正時代ぐらいですから、
推定年齢100歳近いおじいちゃん猫です。
いつまでも、道行く人を元気に見守って欲しいものです。
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- 2009/02/14(土) 00:05:00|
- 道標、石碑など
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